栄で相続のご相談をお考えの方へ
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相続での注意点
こちらでは、相続の注意点が含まれている事例をご紹介しております。栄の相続でこのようなトラブルが発生してしまった場合は、私たちまでご相談ください。
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2025年6月4日
相続税
不動産を活用した相続税対策
相続税の申告では、土地は国税庁が定めた方法で評価されます。この方法で計算した場合には、実際に取引されている価格よりも低く計算されることが通常です。これにより計算された・・・
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2025年4月7日
相続放棄
相続放棄の流れ
相続放棄をするときにはどのような流れで行えばよいかというと、以下のとおりです。⑴ 必要書類の収集 ⑵ 申述書の作成 ⑶ 管轄裁判所の郵券及び申立て費用の添付 ⑷ 提出・・・
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2025年3月17日
遺産分割
遺産分割をする際の流れ
遺産の全体像を把握できていないと、遺産分割の話し合いをスムーズに話し合うことができませんし、万が一遺産分割後に新たな相続財産が見つかった場合は、その財産について新たに・・・
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2025年2月17日
遺言
遺言とエンディングノートの作り方や効力の違い
結論から申し上げますと、遺言とエンディングノートは、法的には全くの別物です。最も大きな違いは、法的な効力の有無です。遺言は、遺言者がお亡くなりになられた後、その遺言に・・・
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2025年1月23日
遺留分
遺留分の期限についてのQ&A
遺留分を請求するためには、自らの遺留分を侵害する遺贈や贈与があったことを知った日から1年以内に請求をする必要があります。たとえば、自分以外の相続人にすべての財産を相続・・・
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更新情報を掲載
相続に関する様々な情報を掲載しており、随時更新しております。ご参照ください。
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相続対策について相談する専門家
1 税金については税理士
相続対策においては、税金に関する知識が欠かせません。
相続税がかかるかどうかを確認したうえで、相続税がかかるのであれば、どのような対策内容があるのかを検討しなければなりません。
これらを確認・検討するためには、財産である不動産やその他の財産をどのように評価するのか、それらを評価した結果、相続税がどのように計算されるのかといった専門的な知識が必要になります。
このような知識は非常に専門的なものになりますので、税金の専門家である税理士に相談すべきです。
相続対策においては、相続税以外の税金の知識も必要になります。
たとえば、相続財産に不動産が含まれている場合、相続開始後にその不動産を売却することを予定していれば、その際に発生する譲渡所得税についても考慮しておく必要があります。
将来発生する可能性のある譲渡所得税のことも考慮し、生前に売却をしておいた方がよいのか、それとも相続開始後に売却した方がよいのかを、税務の観点から、検討する必要もあります。
このように、相続においては、税金に関する深い知識が要求されるとともに、相続税に限らず、税金に関する幅広い知識が要求されますので、税金の専門家である税理士に相談すべきといえます。
2 紛争予防については弁護士
相続対策の中心は、遺言書の作成となります。
遺言書の作成方法は、法律で厳格に定められており、その方式に従っていなければ効力がありません。
法的に効力のない遺言書を作成してしまうと、遺言を作成したこと自体が、紛争の発生につながってしまうおそれがあります。
もちろん、法的に有効な遺言であれば、どのような内容であっても作成しておいた方がよいということにはならず、相続の紛争が生じないような内容の遺言書を作成することが非常に重要です。
たとえば、相続をさせたいと考えていた相続人が遺言者よりも先に亡くなってしまった場合、その相続人に相続させようとしていた遺言書の規定は無効になってしまうため、そのような不測の事態が生じることへの対策も必要です。
弁護士は法律と紛争の専門家であり、多くの紛争となった案件の相談も経験しているため、そのような紛争を防ぐためには、どのような内容の遺言書を作成しておけばよかったのかという、紛争の事前予防の観点からアドバイスをすることが可能です。
そのため、相続で紛争となることを防ぐためには、法律や紛争に関して深い知見を有している弁護士に相談することが必要です。
3 国家資格ではない「専門家」への相談
現在は、国家資格ではない相続の「専門家」を銘打っている方もいますが、そのような方からのアドバイスは、税務や法務に関して適切な内容になっているとは限りません。
税務や法務について、国家資格のない者によるアドバイスが横行している現状が問題視されていることもあり、そのアドバイスに従って行動された結果、思わぬ不利益を被ったとしても、そのような者がその責任を取るとは限りません。
国家資格でない相続の「専門家」に相談をされる際には、くれぐれも注意するようにしてください。
4 税務と法務の双方の知識のある専門家への相談がベスト
上で述べたように、相続税対策においては、税務と法務の両方の観点からアドバイスを受けて、進めていくことが重要です。
片方の観点からだけで進めてしまうと、税金の観点からだけで進めた結果が紛争の誘発につながってしまったり、法律の観点からだけで進めた結果が税金の観点から不利益を被ってしまったりという事態になってしまいます。
そのため、双方の観点からの相続対策が必要となるのですが、あくまで税理士は税金の専門家であり、弁護士は法律の専門家ですので、他方の分野に詳しいわけではありません。
相続について多くの経験を有している専門家であれば、他の分野の知識もある程度は有している可能性がありますので、他の分野の内容も踏まえたアドバイスを期待することもできるかと思います。
ただ、そのような知識も十分かどうかは分かりませんので、できれば、税理士と弁護士の両方の資格をもっている専門家あるいは税理士と弁護士が連携しているところに相談することがベストであるといえます。
もちろん、専門家が対応する業務分野は幅広いですので、相続に関する相談をされるのであれば、日ごろから相続を集中的に扱っているという専門家に相談されることをおすすめします。
そのような専門家が事務所に所属しているかどうかは、事務所のホームページを確認するか、事務所に電話やメールをして確認するのがよいかと思います。
相続を専門家に相談するには
1 相続を専門家に相談することが重要です
相続は非常に専門的で、奥が深いうえ、人生でそれほど経験することでもありませんので、知識や経験を得ることが難しいものです。
そのため、相続に関する知識と経験をしっかりと得たうえで最適の方法を選択することは簡単ではありません。
相続においては多くの落とし穴もありますので、相続で失敗しないためには、専門家に相談しながら進めることが重要です。
相続については、専門的な資格を有していない者でも相談を受け付けていることもありますが、そのような者がどの程度の正確な知識と経験があるのかは分かりませんので、相談をされる際には注意してください。
2 相談する分野を確認して専門家を選びます
まずは、相続においてどのような分野についての相談をするのかを確認して、どの専門家に相談するのかを決めます。
というのも、相続の相談内容は幅広いため、複数の専門家が関与することがあるからです。
生前の相続税対策や相続開始後の相続税の申告に関する相談であれば、税金の専門家である税理士への相談となります。
遺言書の作成においては、法的に有効かどうかという観点だけではなく、争いが起きない内容の遺言書にすることが重要ですので、普段から紛争案件にも多く携わっている弁護士にご相談ください。
遺留分対策を相談する際にも、どのような対策であれば遺留分対策として有効で、失敗しないのかは、法的に高度な判断が必要になります。
そのため、法律に関する高度な知識を持っており、遺留分についての判断がされている裁判例にも詳しい弁護士に相談するのがよいと思います。
相続開始後に遺産分割に関する相談をする場合にも、弁護士に相談されることがおすすめです。
遺産分割の内容がすでに決まっており、不動産の名義変更をするだけといったケースであれば、司法書士への相談でもよいかと思いますが、そもそも専門家に相談せずに決められた遺産分割の内容が当事者にとって最適であったといえるのかは分かりませんし、仮に遺産分割について揉めてしまった場合には、弁護士にしか相談することはできません。
3 専門家の中でも相続に詳しい者を選びます
弁護士や税理士といった専門家であっても、すべての者が相続に詳しいわけではありません。
弁護士や税理士の業務には、相続以外にも幅広い分野があり、相続を中心的に扱っている弁護士や税理士の割合が高いわけではありません。
相続は、上述のように、とても奥深くて、多くの知識と経験を要求される分野ですので、普段から相続を中心的に扱っている弁護士や税理士でなければ、高いクオリティのサービスを提供することは難しいといえます。
そのため、相続に関する相談をする場合には、相続を中心的に扱っている専門家に相談することが大切です。
相続を中心的に扱っているかどうかは、ホームページの情報などをもとにして調べることができます。
4 相談にあたっての準備をします
相談をする内容と、相談をする専門家が決まったら、相談内容に関する資料があるとスムーズに相談することができますので、準備をしておくとよいかと思います。
どのような資料があると望ましいのかはケースによって様々ですが、基本的には、相続人に関する資料と相続財産に関する資料があるとよいです。
相続人に関する資料は、相続人の関係を図にしたものがあるとよいです。
仮に、相続人の確定に必要な戸籍が揃っている場合には持参してもよいと思いますが、ご自身で取得することが難しい場合には、専門家が職務上の権限で取得することができますので、必須ではありません。
相続財産に関する資料は、不動産であれば、固定資産税の納税通知書や評価証明書などの固定資産評価額が分かる書類や、登記簿謄本などの不動産の内容の分かるものがあるとよいと思います。
預貯金については通帳があればよいですし、株式などの有価証券については証券会社からの残高の通知書があるとよいです。
ただし、これらの書類があることは必須ではありません。
まずは、無料相談などを利用することで、相続に関する相談を気軽にしてみることがよいと思います。
相続を依頼する専門家を選ぶ際の注意点
1 相続手続きを依頼することの必要性
相続は、人が人生で何度も経験することではありませんので、その手続きに慣れているということは稀です。
さらに、相続は、法律制度や税制度、社会保険制度などが複雑に関係しており、専門的な知識が必要になることがあります。
そのため、相続手続きを円滑に進めるためには、専門家に相続手続きを依頼することが必要になります。
2 依頼する分野はどの分野なのか
相続は幅広い分野が関係し、様々な専門家が関わっています。
相続税の申告や対策が必要なのであれば、税の専門家である税理士に依頼するべきです。
相続税が関係するにも関わらず、税についての知識のない専門家に依頼してしまうと、税の分野での不利益を被ってしまうおそれがあります。
不動産の登記手続きのみが必要なのであれば、登記の専門家である司法書士に依頼されるのがよいです。
相続で紛争となってしまった場合には、相続人の代理人となれる専門家は弁護士しかいませんので、弁護士にご依頼ください。。
また、相続手続きにおいて法的に難しい点が生じてしまった場合にも、法律の専門家である弁護士に依頼されることをおすすめします。
生前の相続対策においては、相続で争いにならないように対策をすることが最も重要ですが、万全の対策をするためには、紛争に関する経験や法律の知識を多く持っている弁護士に依頼するのがよいです。
3 複数の分野が問題になるケースが見受けられる
ここで、注意して欲しいのは、上記のどれかの分野だけが問題になるケースは多くはないということです。
例えば、生前の相続対策として、遺言書を作成するという場合を考えてみます。
まず、遺言書が法律上の要件をしっかりと備えていて、法的に有効なものを作成することは当然の前提です。
それ以上に問題なのは、その内容です。
遺言書の内容が、相続で揉めごとの原因となるようなものであれば、遺言書を作成したことが、かえって紛争を引き起こしかねません。
遺言者の希望からすると、どうしても紛争が避けられないものであったとしても、その希望をなるべく叶えつつ、紛争が激化して相続人に負担ができるだけかからないような内容を工夫する必要があります。
このように紛争のリスクをできるだけ避けるような内容の遺言書を作成しようとすると、上記のように、相続の紛争や法律の知識を多く持っている弁護士に相談することが必須であるといえます。
他方で、仮に、紛争の予防や法律上の手続きについて十分に検討された遺言書が作成できたとしても、相続税の対策ができておらず、そのことで相続人に不利益が生じてしまったとなれば、相続対策としては不十分であると言わざるをえません。
そのため、相続税が関わるのであれば、遺言書の作成の時点において、税金の専門家である税理士にも相談をしておく必要があるといえるのです。
ただし、このように複数の分野が問題となる場合に、その都度、それぞれの専門家に依頼して、内容を調整していくというのは非常に手間がかかります。
そのため、法律と税金の両方の分野に精通した専門家がいれば、その専門家に依頼するのがもっともスムーズです。
弁護士と税理士の両方の資格を持った専門家もおりますので、相続に関して依頼する場合には、そのような専門家に依頼されることもご検討ください。
4 相続の分野を得意にしているかどうか
弁護士や税理士などの専門家が扱う分野は、それぞれの専門分野の中でも幅広いため、すべての弁護士や税理士が相続に精通しているわけではありません。
弁護士の中には、相続に関してはほとんど経験がないという弁護士もいますし、いわゆる「町弁」といわれる相続を含めて幅広い分野を扱っている弁護士は、相続を集中的に扱っている弁護士に比べると、相続に関する経験が少ないと言わざるをえません。
税理士も、企業や個人の所得税を扱っているという方がほとんどであって、相続税などの資産税を扱っている税理士は少数派ですので、相続税に関する知識と経験の差は大きいといえます。
そのため、弁護士や税理士などの専門家を選ぶ際には、相続の分野を多く取り扱っており、得意にしている専門家なのかどうかを確かめたうえで、依頼される方を選んでほしいと思います。
相続の分野を得意にしているかどうかは、ホームーページの記載を参考にしたり、実際に専門家に相談してみたりされて、ご確認いただくのがよいと思います。
相続で困った場合の相談先
1 弁護士
弁護士は法律の専門家ですので、相続に関する法的な事項に関するアドバイスができます。
相続に関して紛争となっている場合、弁護士でなければ法的な相談や代理人としての活動の依頼を受けることはできません。
そのため、弁護士に相談するとなると相続に関して揉めた場合というイメージがあるかもしれませんが、「相続で揉めないために弁護士に相談する」という視点も重要です。
なぜなら、弁護士は紛争となった相続の案件を多く経験していますので、どのようなことをすれば紛争となってしまうのか、どのようにすれば紛争を予防することができるのかについての知見を持っています。
そのため、相続についての生前の対策や、相続が開始された後の手続きについても、たとえ揉めていないとしても、弁護士に相談されるのがよいといえます。
万が一、相続トラブルに発展してしまったとしても、弁護士であればそのまま対応を任せることができるため安心です。
ただし、すべての弁護士が相続について多くの経験と知識を持っているわけではありませんので、相続を多く扱っている弁護士に相談されることをおすすめします。
2 税理士
相続において税金が問題になる場合には、税金の専門家である税理士に相談すべきです。
生前の対策であっても相続税を考慮した内容とすることが重要ですし、相続が開始した後にも、相続税の申告・納付のことも考慮した相続内容にする必要があるといえます。
税金の申告・納付は法律上の義務ですので、適正に行う必要がありますし、対策をしているかどうかで相続税の内容に大きな差が生じることもあります。
相続税の申告が必要になる場合には、お早めに相談されることをおすすめします。
3 弁護士・税理士以外の相談先
相続に関しては、金融機関や民間企業のコンサルタントも相談に応じています。
ただし、これらの業者は法律や税金に関する公的な資格を持った専門家ではないため、十分なサービスを提供できているのかは確かではありません。
そのため、ご相談をされる場合には注意をしてほしいと思いますし、なるべく弁護士や税理士などの資格を持った専門家に相談されることをおすすめします。
相続では法務と税務の両方が問題になることがしばしばありますが、資格者の中には弁護士と税理士の両方の資格を持った専門家もいますので、このような専門家に相談されるのもよいでしょう。
相続問題について専門家に相談するとよい場合
1 遺言書の作成をお考えの場合
相続において、遺言書を作成することは非常に重要であり、この対応をしておくことで結果に大きな違いが生じます。
ただし、作成さえすればよいというわけではありません。
適切でない遺言書が作成されたことによって、相続における問題が生じてしまうこともありえます。
遺言書が法律上の要件を備えていることは当然ではありますが、その内容についても精査をすることが必要です。
相続人の間での紛争を避けることができる内容になっているか、遺留分についての配慮がなされているか、万が一の事態が発生した場合に備えた予備的な条項が用意されているか、相続手続きが円滑に進められるような内容になっているか、相続税についての配慮がされているかなど、遺言書の内容について検討すべき事項は非常に多くあります。
このような事項は、普通の方が相続を経験されるということは多くはないことから、相続を多く扱っている弁護士や税理士などの専門家に相談をしたうえで決めることをおすすめします。
2 相続税の対策を検討中の場合
ご自身の相続において相続税がかかる可能性がある方については、相続税についての対策をしておくことが重要です。
まずは、ご自身の所有している財産に対して、相続税がかかるのかどうか、かかる場合にはいくらぐらいかかるのかを把握する必要があります。
これを踏まえて、どのような相続内容にすると相続税がかからないのか、生前に対策すべき事項があるのかどうか、相続人が納付しなければならない相続税をどのように納付してもらうのかなどを検討する必要があります。
このような対策内容は、相続税についての詳しい知識と経験が必要になりますし、誤った知識をもとに進めてしまうと思わぬ落とし穴がありますので、税理士に相談して進めるのがよいです。
3 遺産分割協議を行う場合
亡くなった方が遺言書を作成せずに亡くなった場合には、相続人の間で遺産分割協議をすることが必要です。
遺産分割協議にあたっては、相続人が誰かを戸籍で確認し、亡くなった方の遺産の内容を調査し、これをどのように分割するのかを相続人間で話し合う必要があります。
相続人間で合意さえできてしまえば、法的には分割の内容はどのような内容でもよいのですが、公平な相続にしようと思えば、生前の財産形成や療養監護をしていたことなどの寄与や、相続人の一部が亡くなった方から援助を受けていた特別受益などを正当に評価する必要が生じます。
また、分割の内容についても、どのような内容であれば相続人それぞれが納得しやすいのかを考慮する必要があります。
相続税がかかる場面においては、相続税についての考慮をしながら遺産分割協議を進めることも重要です。
このようなケースに対処するには、遺産分割に関する多くの経験と知識を持っている必要がありますし、相続税が問題になる場合には、法的な知識と税金の知識の両方を持っている弁護士兼税理士に相談をしてから進めるようにして、トラブルとなるのを避けるのがよいでしょう。
4 遺留分についてお悩みの場合
相続の内容が遺留分の認められている相続人の権利を侵害しており、その相続人が遺留分侵害額請求をした場合には、深刻な紛争になってしまう可能性があります。
ここで、遺留分の全体の額としてはいくらになるのか、遺留分を誰がいくら支払うことになるのかなどについては、専門的な知識が必要になります。
というのも、遺留分は亡くなったときに残っていた財産だけでなく、生前に贈与された財産が問題になることもあり、どのような贈与が対象になるのかは専門的な判断が必要になるからです。
さらに、そのような財産の中に不動産が含まれている場合には、それらの不動産をいくらで評価するのかといったことも問題になる可能性があるでしょう。
このような問題に対処するためには専門的な知識が必要になりますので、なるべく自らの権利が侵害されないように相続手続きを進めるためには、弁護士などの専門家に相談をして方針を決める必要があります。
5 相続税の申告が必要な場合
亡くなった方の相続について相続税の申告が必要な場合には、亡くなったことを知ってから10か月以内に申告と納付の手続きをする必要があります。
10か月というと余裕があるようにも見えますが、相続税の申告においては、戸籍や財産に関する資料など、税務署に提出しなければならない資料が非常に多く、これらの資料の取付けには時間を要します。
そのため、これらの必要な資料の取付けにはなるべく早く着手した方がよいですし、どのような資料が必要になるのかはそれぞれの相続の内容によって異なってきますから、なるべく早く専門家に相談するのがよいでしょう。
いずれにしろ、相続税は適正に申告をしなければ大きなリスクを負いうるものですので、税理士に相談しながら進めるべきでしょう。
相続に強い専門家に依頼するメリット
1 生前対策におけるメリット
相続の生前対策において、相続に強い専門家に依頼するメリットは多くあります。
相続の生前対策における主な内容は、遺言書の作成です。
遺言書を作成する際に重要なのはその内容ですが、内容を検討する際に大事になってくるのは相続における紛争を防ぐことです。
相続に強い専門家に依頼すれば、そのような専門家はどのような場合に紛争になるのかについての知識と経験を多く持っていますので、これを避ける工夫がされている遺言書を作成することが可能です。
たとえば、遺留分についての配慮がしっかりとされていたり、万が一の事態がおきた場合に備えて予備的な条項を設けていたりする遺言書を作成してもらうことができます。
さらに、相続税についての知識と経験を多く持っている専門家に依頼すれば、相続税についての配慮がされた遺言書を作成することができます。
相続税の考慮がされている遺言書であれば、利用可能な控除の制度を確実に利用できるような内容にしてありますし、相続税を納税することまでしっかりと考慮された内容の遺言書を作成してもらえます。
また、遺言書の作成以外の生前対策についても、さまざまな手段で、遺留分についての対策や、相続税についての対策をするためのアドバイスが受けられるため、より適切な生前対策を行うことができるといえます。
2 相続開始後の対応におけるメリット
亡くなった方が遺言書を作成せずに亡くなった場合、相続人の間で遺産分割協議が必要な場合があります。
この遺産分割協議においては、不動産の評価についての知識や、寄与分、特別受益といった相続に関する正確な知識が必要になります。
このような知識がない状態で遺産分割についての協議を始めてしまうと、相続人の間で誤解を生むことになってしまったり、手続きにおけるミスをしてしまったりすることで、相続人同士の紛争やトラブルになりかねません。
そのようなことを避けるために、相続に関する法的知識を持っている弁護士にアドバイスを受けながら遺産分割協議を進めるのがよいでしょう。
また、相続税の申告が必要な場合には、これに対する対策も必要です。
相続税の申告は相続の発生後10か月以内にする必要がありますから、これに間に合うように必要な資料を集めたり、相続税の納税のことも考えながら遺産分割協議を進めていく必要があります。
これについては、相続税についての知識を持っている税理士にアドバイスを受けるのがよいでしょう。
ただし、すべての弁護士や税理士が相続についての深い知識を持っているわけではありませんので、相続を得意とする者に依頼する必要がありますし、できれば、相談相手は相続に関する法的な知識と税金の知識の両方を持っている方がよいです。
各専門家が協力できることの強み
1 各専門家が連携できれば適切な対応ができる
⑴ 多くの専門家が関わる
相続の分野では、多くの専門家が関わることになります。
たとえば、相続財産に不動産が含まれていて、この名義変更手続きをする際に関わる専門家は司法書士であることが一般的です。
この不動産を売却するということになれば、売買を仲介する不動産業者が関わることになります。
相続税の申告が必要な場合には、税理士がこの業務を行います。
相続においてもめてしまったり、高度な手続きや裁判上の手続きが必要になったりした場合には、弁護士が担当することになります。
このように、相続の分野では、取り扱う分野ごとに担当する専門家が異なることになります。
⑵ 専門家が相互に関わり合う場面がある
相続においては、それぞれの分野の専門家が、相互に関わり合う場面が多くあります。
たとえば、どのような遺産分割の内容にするかによって、相続税の額が変わることがあります。
しかし、このようなことを知らないで弁護士に遺産分割をまとめてもらったり、司法書士に不動産の名義変更を依頼してしまったりすると、支払う必要のなかった相続税を支払うことになってしまい、結果として、最適な相続ができなかったということになりかねません。
また、弁護士に依頼して遺産分割協議書を作成してもらったものの、実は、それだけでは不動産の名義変更ができず、目的が達成できなかったという事態もありえます。
ここで、各専門家が連携して相続の手続きを進めていけば、このような事態が生じることを防ぐことができます。
2 各専門家が連携できれば手間が省ける
不動産の名義変更や相続税の申告、その他の法的手続きで必要になる書類は共通しているものや、共通していないものもあります。
たとえば、不動産の名義変更の際には、固定資産の評価証明書を提出する必要があります。
不動産の名義変更に必要な固定資産の評価証明書は申請の直近の年度のものなのですが、相続税の申告に必要なものは相続の開始の時点のものですので、両者が異なることがあり得ます。
また、遺産分割においては、残っている財産をどのように分割するのかの視点で協議を進めることになるため、預貯金でいうと、直近の残高が問題になりますが、相続税申告においては、これも相続開始時点の残高が問題になりますので、これについての資料が必要です。
相続人関係を公的に証明するものとして、法定相続情報というものがありますが、これについても、不動産の名義変更で必要な記載と、相続税申告で必要な記載がずれる面がありますので、場合によっては、他の手続きのためにせっかく作った書類が無駄になる場合があります。
その他にも、それぞれの手続きで必要な書類が異なることがありますが、それぞれの手続きに必要な書類が理解されていれば、別の手続きで書類を取りなおすなどという余計な手間をとる必要がなくなります。
このようなことは、各専門家がしっかりと連携していることで達成することができます。
また、依頼者の視点からしても、それぞれの手続きにおいて、別の専門家に依頼する際に初めから経緯を説明することは非常に手間ですので、専門家の間で、事情を把握しながら進めていくことができれば、このような手間を省くことができます。
3 複数の資格を持つ専門家に依頼すれば連携をする必要もない
このように、相続に関わる各専門家が連携して手続きを進めることには大きなメリットがあります。
ここで、一人の専門家が複数の専門家の資格を有しているなどすれば、それぞれの立場から業務を進めることができるので、わざわざ専門家間で連携する必要もなくなります。
各専門家間での連携がうまくできなかったときのリスクも避けることができますし、依頼者にとっても、ワンストップでのサービスを受けることができ、非常に便利であるといえます。
相続において専門家を選ぶ際には、その専門家が相続に詳しいことはもちろんですが、他の専門家との連携ができるところであるのか、もしそのような専門家がいれば、関係する複数の分野の専門家と連携できるのかといった視点で選ばれることをおすすめします。
不動産評価に強い専門家に相談した方がよい理由
1 相続における不動産の評価方法は複雑
相続財産を分けるときや相続税を計算するときは、相続財産を正確に評価する必要があります。
現金や預貯金などであれば、評価額は額面どおりとなり分かりやすいのですが、不動産はもともと高額となりがちであるうえ、評価方法が複雑で、評価の仕方によって価額に幅が出てしまいます。
そのため、不動産評価に強い専門家に相談した方がよいといえます。
2 遺産分割協議における不動産評価について
遺産分割協議においては、財産の評価をしたうえで、具体的に各人がどう取得するかを話し合います。
不動産を取得したいと考えている相続人にとっては、不動産の評価額が低いほど有利になるため、不動産の評価額として相続税評価額を主張してくることがあります。
相続税評価額は、実際の取引価格の8割程度になるように決定されているためです。
これに対し、不動産を取得しないと考えている相続人にとっては、不動産の評価額が高いほど有利になるので、実際の取引価格(時価)を主張することが多い傾向にあります。
裁判所が遺産分割の審判を行うときには、遺産分割時の時価で判断しますが、遺産分割協議においては、双方で根拠資料を出しながら話し合うことになります。
不動産評価に詳しい専門家であれば、評価方法によって価額が変わることを熟知し、適切な主張を行ってくれることが期待できます。
3 相続税申告における不動産評価について
相続税を申告する際は、不動産は相続税評価額で記載するため、遺産分割における金額とは異なります。
不動産の相続税評価額について、土地は「路線価方式」または「倍率方式」で算出され、建物については固定資産税評価額を使用します。
ここで、土地については、その形状や大きさ、接する道路の状況などによって評価額を減額できる様々なルールがあり、それらを適切に適用できるかによって評価額にも影響が出ます。
また、不動産の場合、特例や控除などの制度が設けられています。
たとえば、税額計算の基となる財産の価額を減額できる特例には、小規模宅地等の特例等があります。
小規模宅地等の特例が利用できれば、最大で8割税額を減額できるケースがあります。
このような特例や控除などを適切に活用できるかどうかによって、相続税申告額が変わってきます。
そのため、不動産評価に強い専門家に相談した方がよいといえます。
相続の相談から解決までにかかる時間
1 遺言書の作成
生前の相続についての一般的な相談として、遺言書の作成です。
遺言書の作成では、相談をしてから、相続人や相続財産を確認して、相続の内容を検討していきます。
遺言書の作成方法についても、自筆で作成するか、公正証書で作成するのかを検討します。
後者で作成するということになった場合には、公証役場に提供する資料を揃えたり、その内容を確定したりするためのやりとりが必要です。
このように、どのように遺言書の作成を進めるかなどによって、解決までにかかる時間は異なりますが、おおむね3か月程度で遺言書は作成することができるでしょう。
2 相続税の対策
生前の相続の相談として、相続税の対策があります。
相続税の対策においては、相談者の推定相続人や、相続人が有している財産の内容などを確認したうえで、現状、どのような相続税がかかるのかを確認します。
その上で、相続税の対策をしていきます。
相続税対策の中には、不動産や生命保険の活用などの一度きりで終わる対策もあれば、生前贈与の活用など、継続的に対策を続けていく必要があるものもあります。
そのため、相続税の対策については、3か月程度で完了するものもあれば、相続の開始まで継続するものもあります。
3 遺産分割協議
遺産分割協議については、相談から解決までの期間が事案によって大きく異なります。
相続財産の内容が分かっていればよいですが、その内容が分かっていない場合には、相続財産の調査をする必要があります。
相続財産の調査は、不動産や預貯金、そのほかの金融資産や生命保険などによって異なります。
それらの相続財産の調査をどの程度までしなければならないかで、解決にかかる時間が異なってきます。
相続財産の内容として、不動産が複数の地域に分かれて所在していたり、多数の金融機関に預貯金や証券の口座を保有していたりする場合には、それぞれについて手続きをする必要がありますので、それだけ手続きに時間がかかることになります。
相続分や遺産分割の内容についての争いがある場合には、他の相続人と調整をする必要がありますので、かなりの時間を要してしまいます。
遺産分割協議は、相続人全員で合意する必要がありますので、相続人の1人でも合意をしなければ成立しません。
そのため、相続の内容が争われているというケースだけでなく、相続人の一部と連絡がとれないという場合にも、遺産分割協議は成立させられません。
そのような場合には、遺産分割調停を申し立てることや、遺産分割審判を出してもらったりすることで、遺産分割の内容を法的に確定する必要があります。
事案によっては、遺産分割の前提として、遺言書の有効性が争われたり、生前贈与の有効性の有無が争われたりすると、これらに関する訴訟が提起されると、さらに解決までに時間がかかることになります。
遺産分割はスムーズに進まないケースもありますので、解決までの時間もさまざまです。
半年もかからずに終了するものもあれば、解決までに何年もかかってしまうものもあります。
4 相続放棄の申立て
亡くなった方に多額の債務がある場合、相続人がそのような債務を引き継がないためには、相続放棄をする必要があります。
相続放棄のためには、家庭裁判所に相続放棄の申述をする必要があります。
この申立ては、自らが相続人となったことを知った日から3か月以内にする必要があります。
そのため、相続放棄の相談をしてから、相続放棄の問題が解決するまでには、基本的に3か月以内に解決することになります。
5 相続税の申告
相続税の申告が必要な場合には、相続の開始を知った日から10か月以内に申告と納税をする必要があります。
相続税の申告のためには、相続人を確定するために必要な戸籍の取得や、相続開始時に存在している相続財産の内容に関する資料の取得が必要です。
これらの資料の準備のためには、ある程度の時間がかかりますので、少なくとも3か月程度の準備期間がかかりますが、場合によっては、それ以上の期間がかかることもあります。
相続税の申告は、上記のとおり、相続の開始を知った日から10か月内にする必要がありますので、その期間内に終わることが通常です。
しかし、その期間内に遺産分割協議が終了していないということもありえます。
そのような場合、いったん10か月以内に相続税の申告をしておいて、遺産分割の内容が決まった後に、再度、申告をする必要があります。
そのため、相続税の申告については、相談から解決までは、相続税の期限である10か月以内に終わることが多いものの、場合によっては、それよりも解決までに時間がかかる必要があります。